マンション売却で起こりがちな13の失敗事例とその対応策をプロがわかりやすく解説

マンションの売却は、ほとんどの方が人生にそう何度もする経験ではありません。経験がないことには、不安はつきもの。また価格も大きなものですから、少しの失敗がいつのまにか大きな損失につながってしまったということも決して少なくありません。

本記事では、マンション売却で失敗しないための情報を売却前・売却中・売却後に分けてわかりやすく解説します。
目次

マンション売却の「失敗」は多いという実情

マンションナビではおよそ10年にわたり、マンションを売却した方々を見続けてきました。そこで気付いたのが、「失敗」される方が多いことです。

失敗にはもちろん、大きなものも小さなものもあります。また、小さな失敗が積み重なって、大きな失敗となってしまうことも。マンションという大きな資産の売却では、少しの判断ミスが大きな損失につながってしまいかねないのです。

マンションナビに寄せられた「リアル」な失敗談の一例



「不動産会社の対応がずさんで、担当者の態度が横柄……」
「すぐに売れると思っていましたが、その考えは甘く、なかなか買ってくれる人が現れませんでした」
「売却したお金に税金が課税されることもあるなんて知らなかった」
(出典:マンションリサーチ「泣き笑いリアルボイス」)



そこで今回は、実際にマンションナビにお寄せいただいたマンション売却の失敗談とこれから売却する人へのアドバイスをもとに、マンション売却で失敗しないための全ノウハウを大公開いたします。

マンション売却で失敗しないために!まずは流れを正しく把握する

そもそも、マンション売却における「成功」とはなんでしょう?多くの方は、できるだけ高く売ること、できるだけ早く売ることを目指しているのではないでしょうか。

ただ、「高く売りたい」と「早く売りたい」が同時に叶えられるケースは稀です。マンション売却には、4~6ヶ月ほどの期間がかかることが一般的であり、基本的には、ある程度の時間的な余裕がなければ高額売却は目指せません。

まずは、マンション売却で失敗しないために、売却の流れを把握しておきましょう。

マンション売却の流れ

マンションの売却には、早くても2ヶ月程度はかかります。どんなに早く買主が決まったとしても、売買契約から物件を引渡すまでの間に1ヶ月ほどの期間を要するためです。

売買契約から引渡しまでの間に、買主はローンの本審査を通します。ローンを使わずにキャッシュでマンションを買う人は少ないため、売り出し開始から1ヶ月で買主が決まったとしても、最低2ヶ月はかかるということですね。

また、買主が購入を決めるのにも、内覧や他の物件との比較、ローンの仮審査などの工程を経るため、売却期間はできれば3ヶ月以上は見ておいたほうがいいでしょう。これらのことを踏まえれば、売り出し開始から実際に売却金額を手にするまでには「4ヶ月」以上はかかると考えておくべきです。


マンションの売却に「焦り」は禁物

もし1ヶ月や2ヶ月で売らなければならない事情があるとすれば、いずれかのタイミングで価格を下げて、買主が現れる可能性を高める必要性が出てくることもあります。つまり、「高額で売りたい」「売却で損したくない」と考える方ほど、売却期間には余裕をもったほうがいいということになります。

売却を急ぐ場合には、「買取」という選択肢もあります。要は、不動産会社に直接、物件を買い取ってもらうということですね。買取によってマンションを売却すれば、早くて1~2週間内に売却金額を受領できます。

ただ買取は、売値が相場の7割前後になってしまうこともあるため、高額売却を目指す方にとっては不向きな売り方だといえるのです。

たとえば、仲介なら3,000万円で売れるマンションも、買取りでは2,100万円ほどになってしまうこともあります。ただし、買取価格は立地や条件によって異なるため、マンション売却で失敗しないためには、仲介による売却査定と買取査定の両者を取ることをおすすめします。

マンションナビのプロ査定では、無料で最大6社に一括で査定依頼できますので、「仲介」と「買取」の価格比較にもぜひご活用ください。

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売出前・売出中・売出後に分けて失敗例を共有

マンションの売却で失敗しないためには、売却スケジュールの把握のみならず、売出前・売出中・売出後の各工程で、失敗しないためのコツを正しく理解する必要があります。

ここからは、各工程で失敗してしまいがちな13のケースと対応策を売出前・売出中・売出後に分けて紹介していきます。

マンション「売出前」の失敗事例と対応策

まずは、マンションを売り出す「前」の失敗事例です。

実は、マンション売却で成功するためには、「売却前」の対応にかかっているといっても過言ではありません。

失敗例1.1社にしか査定依頼を出していなかった

これからマンションを売却しようとお考えの皆さんは、どのように不動産会社を探そうと考えていますか?
有名な大手不動産会社に査定してもらう?
地元に強い不動産会社にお願いする?
「大手不動産会社」「地域密着の不動産会社」いずれも選択肢にいれることは問題ありません。しかし、初めから1社に依頼すると決めるのではなく、必ず複数社を比較するようにしてください。
複数の不動産会社を比較する方法は、各社に査定依頼を出すことです。査定は、「マンションがいくらで売れるか」を知るためだけに行うものではなく、不動産会社の実績や担当者の能力を知るという目的もあります。

また、1社にしか査定依頼を出していなければ、提示された査定額が適切かどうかも判断できません。「マンションが早く売れる」ということは、「早く買主が見つかる」ということと同義です。早く買主に現れてもらうには、マンションを適切な金額で売り出す必要があります。

相場を知るために、そして不動産会社を比較するために、1社ではなく、複数社に査定依頼することがまず大切です。


失敗例2.査定価格が高い会社を信じてしまった

そもそも「査定額」とは、不動産会社が「これくらいで売れるだろう」と“予測”する金額です。予測ですから、その金額で売れるという保証はどこにもありません。
たとえば、3社に対して査定依頼を出し、A社が「2,900万円」、B社が「3,000万円」、C社が「3,500万円」という査定額を提示してきたとしましょう。どうしてもC社の「3,500万円」が魅力的に映ってしまうものですが、“査定額=売れる金額ではない”とすれば、高額なだけの査定にはなんの意味もありませんよね。

マンションの査定で大事なのは、査定の金額ではなく、どうしてその査定額になったのかという根拠です。上記の例なら、C社に飛びつきたくなるお気持ちもわかりますが、他社と比較して高額な査定額を出してきた不動産会社に対してはとくに、査定の根拠を聞くことを忘れないようにしましょう。

失敗例3.根拠がなく・マンションが得意ではない会社に依頼してしまった

「査定の根拠」となるのは、たとえば以下のようなことです。
査定の根拠となる項目


  • 今売りに出されている類似物件と比較した
  • 過去に成約にいたった類似物件と比較した
  • 相場のみならず、マンションの使用状況やリフォーム履歴を踏まえて算出した

これらの根拠を、より具体的に、説得力のある説明で提示してくれる不動産会社なら信頼に値します。売主を説得させられない不動産会社が、買主を説得させることはできません。

不動産会社による説明を受けて、「いや高すぎるんじゃないか?」「もっと高く売れると思うんだけど……」と思うようならば、その感覚もぜひ大事にしてみてください。

また、マンションの売却を任せるのは、マンション売却を得意としている不動産会社のほうがいいというのは絶対です。いくら根拠のある説明をしてくれたとしても、土地や戸建ての売却中心の不動産会社は避けたほうがいいでしょう。

またマンションでも、居住用物件なのか、投資用物件なのかでも、不動産会社の得手不得手は異なります。居住用マンションなら、居住用のマンションを売却した実績が豊富な不動産会社を選ぶようにしましょう。

マンションナビでは、マンション売却を得意とする不動産会社に最大6社まで査定依頼が可能ですのでぜひご活用ください。

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失敗例4.住宅ローンの残高を把握していなかった

マンションを売り出す前には、必ず住宅ローン残高を把握しておいてください。たとえば、ローン残高が3,000万円あるのに、2,500万円で売ってしまった場合、差額の500万円は自己資金から捻出しなければなりません。

不動産は、基本的に住宅ローンが残っている状態で売ることはできません。査定額がいくらであろうと、自己資金がない場合には、住宅ローン残債以上の価格で売り出す必要があります。



売却前の失敗を避けるための注意点


  • 査定依頼は複数社に
  • 査定額の「高さ」ではなく「根拠」を見ること
  • マンションの売却はマンション売却に強い不動産会社に
  • 売却前には必ず住宅ローン残高を確認

マンション「売出中」の失敗事例と対応策

さて続いては、マンションを売り出している最中に起こりがちな失敗事例を紹介します。

失敗例5.不動産会社から囲い込みを受けてしまう

「囲い込み」という言葉をご存じですか?「囲い込み」は、これからマンションを売却しようと思っている方すべてが知っておくべきことです。ここからちょっと難しい話をしますが、ご存じない方はしばらく読み進めていただけると幸いです。

「囲い込み」を理解するには、不動産会社による仲介の“形態”について知っておく必要があります。

不動産会社は、買主と売主を仲介するものですが、買主・売主それぞれ別の不動産会社が付くケースと、買主・売主ともに同じ不動産会社が付くケースに分かれます。

売主・買主それぞれ別の不動産会社が仲介するケースを、「片手取引」といいます。上記図でいうと、不動産会社Aは売主から、不動産会社Bは買主から仲介手数料を受領します。

一方で、売主・買主を同じ不動産会社が仲介するケースを、「両手取引」といいます。この場合、不動産会社Aは売主・買主、両者から仲介手数料を受領するため、片手取引の2倍の報酬を得られるのです。

では、話を「囲い込み」に戻します。囲い込みとは、不動産会社が「両手取引」を意図的に狙う行為です。

日本の不動産業界では、両手取引は禁止されていません。しかし、故意に両手取引とするため、物件情報を他社に開示しなかったり、他社からの問い合わせに嘘をついて紹介しなかったりするケースは違法です。物件情報を自社で囲い込んでしまうことから、「囲い込み」と呼ばれているんですね。

不動産会社が物件情報を囲い込むのは、単に「仲介手数料が2倍欲しいから」という身勝手な理由でしかありません。売主からすれば、他社に紹介されないことで売却のチャンスを著しく損なうことは明白であり、断じて許される行為ではありません。

囲い込みに気付くのはなかなか難しいものですが、「なかなか反響が来ない」「不動産会社が値下げばかり強要してくる」……といった場合には、他社に協力してもらって問い合わせの連絡を入れてもらうことで、囲い込みの事実が発覚することもあります。

マンションナビでは、ご利用いただいた方から寄せられたご意見やレビューへの回答などから、問題があると思われる不動産会社に指導を行い、改善が見られなかったり、悪質だと判断されたりする場合には、利用停止といった措置を取っています。
一括で複数社に査定依頼できるのみならず、ご利用者様の「成功」をサポートするべく、日々、システムの改善や参画する不動産会社の質をチェックしておりますので、どうぞ安心してマンションナビをご活用ください。

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失敗例6.相場を理解せずに値下げをしてしまう

・1ヶ月、2ヶ月と経過してもなかなか反響がない
・半年経っても売れない
こんなとき、真っ先に思い浮かぶ対応策は「値下げ」でしょう。しかし、マンションが売れない理由は必ずしも価格にあるわけではありません。

もちろん、値下げすれば物件の魅力は高まるので、早期売却も叶うでしょう。しかし、本来売れるはずであった価格より安く売ってしまうのは、売主の利益とはならないはずです。

売り出し価格が競合物件と比較して高いわけではなく、それでも反響が得られない場合には、不動産会社に問題があるケースもあります。先述した「囲い込み」もそうですが、囲い込みをしていないとしても、担当者の積極性が足りなかったり、検討違いの広告活動をしていたりする場合には、たとえ相場通りだとしても売れません。

値下げを決断するときには、改めて相場や競合物件の価格を確認することが大切です。


失敗例7.売却に適した時期か知らずに売り出してしまう

不動産の売却には、「適した時期」というものがあります。

賃貸物件のように、9月や3月に飛躍的に成約数が増加することはありませんが、やはり期末や年度末には売れやすさは向上するものです。

また年末年始やお盆には帰省する人も多く、不動産会社も休業します。売り出してすぐの、せっかく注目度が高いときに長期休暇となってしまわぬよう、年末や8月頭に売り出すのは控えたほうがいいかもしれませんね。


失敗例8.内覧の前に掃除などの準備ができていない

売却活動がうまくいくと、「内覧」の申込が入ります。購入検討者が、実際に物件を見に来るということです。

内覧は、“購入検討者”を“買主”に変える重要な局面です。内覧の印象次第で、買うか買わないかが決まるため、売主は入念に準備しておきたいところです。

準備といっても、やることは単純明快。隅々まで清掃・整頓を徹底して、物件をよりよく見せる努力をすることです。わざわざお金をかけてハウスクリーニングしたり、修繕したりする必要は基本的にありません。

居住中のマンションの売却では、「生活感が出ていないだろうか?」「子どもが騒がないだろうか?」と心配になるものですが、“ありのまま”を“できる限り綺麗な状態で”見せれば問題ありません。

売却中、内覧はいつ入るかわかりませんので、できる限り綺麗な状態を保つことも大切です。


失敗例9.内覧時に何を伝えれば良いかわからない

内覧前のみならず、「内覧中の対応」で失敗してしまう方もいます。

何を伝えればいいかわからず、売主はついつい喋りすぎてしまう傾向にありますが、基本的には内覧者を見守っていればOK。物件の良いところは、不動産会社の担当者が伝えてくれるものです。

内覧中は内覧に集中してもらうことを心がけ、最後に売主しか知りえない地域の情報や隣人の様子などを伝える程度の対応で問題ありません。

失敗例10.不動産会社とのコミュニケーション不足

マンションの売却は、不動産会社と二人三脚で進めていくものです。不動産会社は、売却の「窓口」。反響数や問い合わせの内容、内覧後の感想など、担当者から伝えてもらうことによってはじめて今後の売却戦略が立てられます。
もし担当者とのコミュニケーションが不足していれば、適切な判断はできないでしょう。不動産会社は定期的に連絡をくれるものではありますが、「頻度が足りない」「報告内容が薄い」と感じれば、その旨を正直に伝えることが大切です。

売却中の失敗を避けるための注意点


  • 「囲い込み」を知っておく
  • 相場を理解しておく
  • 売却に適した時期を知っておく
  • 内覧前には清掃・整頓の徹底を
  • 内覧中は売主しか知りえない地域の情報や隣人の様子を伝える程度でOK

マンション「売出後」の失敗事例と対応策

それでは続いて、マンションを売った後に失敗しがちな事例を見ていきましょう。

失敗例11.売却価格がローンの残債を下回ってしまった

「売却前」の失敗の一つとして、「住宅ローン残債を把握していない」ことを挙げましたが、売却期間中にどうしても値下げが必要になり、結果として売却価格が住宅ローン残債を下回ってしまうことがあります。

先述した通り、基本的に住宅ローンを完済しない限りマンションは売れません。もし住宅ローン残債を下回る価格でしか売れず、手持ち資金もないとすれば、カードローンを組んだり、親御さんになんとか費用を工面してもらったりして、住宅ローンを完済する必要があります。

ただ一つだけ、住宅ローン残債を下回る価格だとしても、必要なお金を工面せずにマンションを売る方法があります。

それは、「任意売却」です。

任意売却は、あらかじめ住宅ローンを借り入れている金融機関に「住宅ローンを完済できないけど売却する」ということを了承してもらって行う不動産売却です。売却後に残った債務は、一括返済を求められることはなく、無理のない返済計画のもと返済していくことも可能です。

そもそも住宅ローンが残る不動産を売却できない理由は、住宅ローンを借り入れている金融機関が不動産に対して設定している「抵当権」が抹消できないからです。

抵当権が設定された不動産は、簡単にいえば借り入れの担保となっている状態。抵当権抹消の条件は、基本的に住宅ローンの完済ですが、任意売却はイレギュラーなケースとして特別に、住宅ローンを完済せずとも金融機関に抵当権を抹消してもらいます。

売却期間中に、住宅ローンを下回る金額でしか売れないということがわかれば、任意売却に切り替えて売却することを検討しましょう。


失敗例12.思った以上に税金がかかってしまった

マンションの売却では、印紙税や登録免許税といった必ずかかる税金・売却と同時に住宅ローンを完済するときに必ずかかる税金があります。

(出典:国税庁
※令和4年(2022年)3月31日までに締結される売買契約書には、表右の軽減税率が適用となります。

印紙税は、上記の表の通り。登録免許税は、不動産一つにつき1,000円と、いずれも高額な税ではありません。
しかし、マンションを売却したことで「譲渡所得」がでた場合には、別途、住民税と所得税が課税されます。譲渡所得とは簡単にいえば「売却益」ですが、たとえば3,000万円で買ったマンション4,000万円で売れたときの差額1,000万円を指すわけではありません。

譲渡所得は、次の計算式で算出します。
譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用
内容
譲渡収入金額 マンションの売却価格+固定資産税・都市計画税の清算金
譲渡費用 マンション売却の諸費用
(仲介手数料・印紙税・登録免許税)
取得費用 マンションの購入代金から減価償却累計費を差し引いた金額
+購入時の仲介手数料+設備費
譲渡費用は、引っ越し代やリフォーム代なども計上が可能です。詳細に知りたい方はこちらの記事を参照ください。

マンションの購入代金は、減価償却累計費を差し引いた金額で考えます。減価償却費とは、建物が経年劣化によって低下したと考えられる価値に相当する金額です。 減価償却費について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご確認ください。
マンション購入時に支払った金銭が、取得費用に該当するかどうか分からない場合は、売却時に不動産会社や税理士などの専門家に確認しましょう。 もし取得費用が不明な場合は、次の計算式(概算法)で求めることも可能です。

譲渡所得にかかる税率は、以下の通りですので、決して安い税額ではありません。
 
所有期間 区分 税率
5年以下 短期譲渡所得 39.630%
(所得税30%+住民税9%+復興特別所得税0.63%)
5年超 長期譲渡所得 20.315%
(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
ただし、自己居住用マンションを売った場合には、次のような税制控除特例があるため、3,000万円以上の譲渡所得が出ない限り課税されることはありません。
・3,000万円の特別控除(マイホーム特例)
・軽減税率の特例

失敗例13.買主と契約不適合責任に関する意思疎通ができていない

マンションの売買契約後には、売主に「契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)」が課せられるのが基本です。

契約不適合責任とは、契約内容と適合していない欠陥や不良な箇所の修繕等を売主が責任を持って行うことです。買主が持つ契約不適合責任における請求権は、次の5つです。

契約不適合責任における請求権


  1. 追完請求:修繕や代替物の交換などによって履行の追完を請求できる
  2. 代金減額請求:履行が追完されなかった場合、売買代金の減額を請求できる
  3. 催告解除:履行が追完されなかった場合は催告解除が可能
  4. 無催告解除:契約内容と著しい不適合があれば無催告による解除が可能
  5. 損害賠償請求:売主に帰責事由があるときに限り損害賠償請求が可能



ただし、契約不適合責任は「任意規定」といって、当事者同士で別の取り決めがあれば、必ず順守しなければならない規定ではありません。売買契約書に「契約不適合責任免責」とあれば、買主は上記の請求権を持たず、売主も一切の責任を負わないことも可能です。
契約不適合責任の扱いを知らない売主は、売却後に責任があることも知らずに苦労することになってしまいかねません。契約不適合責任を免責とできるかは契約次第ではありますが、売却後に契約と不適合の箇所が発覚することがないよう、売主は事前に物件の欠陥や不良の点を付帯設備表などの書面をもって買主に対して伝えておくことを心がけましょう。

売出後の失敗を避けるための注意点


  • 売却金額が住宅ローン残高を下回る見込みがあれば「任意売却」を検討
  • 譲渡所得が出た場合には税金が高額になることも
  • 契約不適合責任の扱いは必ず確認する


マンション売却で成功するために大事なのは「不動産会社選び」

ここまで、マンション売却で起こりがちな13の失敗事例を挙げてきました。売却前・売却中・売却後、各ポイントで気を付けるべきことは多いのですが、失敗を未然にふせぐことも非常に大事なことです。

失敗を回避するためには、事前につまづきそうな箇所を教えてくれて、専門性をもってマンション売却を成功に導いてくる不動産会社の存在が不可欠となります。つまり、不動産会社選びさえ失敗しなければ、その後の失敗は未然にふせげる可能性が高いということです。

信頼できて、なおかつ能力の高い不動産会社を選ぶためには、「失敗例1.1社にしか査定依頼を出していなかった」「失敗例2.査定価格が高い会社を信じてしまった」ここをまず回避することを意識しましょう。

必ず複数社に査定を依頼し、査定額の高さではなく「査定の根拠」や担当者の人となりで選ぶことで、不動産会社選びでの失敗を回避しやすくなります。

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マンション売却後の「手残り」で失敗しないために諸費用と税金を理解する

先述でマンション売却にかかる税金について触れましたが、売却には「諸費用」がかかることも忘れてはいけません。マンション売却にかかる諸費用は、売却金額の4%が目安です。
 
諸費用名 金額
①仲介手数料 (売却価格×3%+6万円)×消費税
②登記費用(抵当権抹消登記・所有権移転登記) 10,000〜40,000円
③印紙税 5,000〜30,000円が一般的
④引っ越し費用 〜10万円(遠距離の場合は20万円以上)
これに加え、譲渡所得(≒売却益)が出たときには住民税・所得税が課税されることをあらかじめ理解しておきましょう。諸費用と税金を踏まえて価格を設定することで、売却後に「思ったより手元に残るお金が少なかった」という失敗が避けられます。


ポイント


  • マンション売却にかかる諸費用は売却金額の4%が目安
  • 別途、売却で譲渡所得が出た場合には、住民税と所得税が課税される


マンション売却の失敗談を共有

最後に、マンション売却の具体的な失敗事例を2つご紹介します。これらの事例は、いずれもちょっとした失敗が大きな損失につながってしまったケースです。

失敗事例その1

現在お住まいの家から遠方にあるマンションを所有しているAさん。今後もマンションを使う予定はなく、税金や管理の問題もあり、早期に売却したいと考えていました。

「遠方だから」と不動産会社を比較せず、マンション近くの不動産会社に売却を依頼し、媒介契約を締結。不動産会社からは「物件内を綺麗にしておいてください」と言われたものの、荷物はそのまま、清掃もろくもせずに売却を開始しました。

しかし、売却開始から半年が経っても一向に売れません。遠方のため、不動産会社とコミュニケーションを取ることも怠り、結果として1年後に売却できましたが、価格は査定額の2割減ほどとなりました。

 
Aさんの「失敗」


  • 不動産会社を比較しなかった
  • 物件内の清掃を怠った
  • 不動産会社とのコミュニケーション不足
  • 売れなかったときの対応策不足


Aさんの失敗1.不動産会社を比較しなかった

遠方にあるマンションを売却するときには、なかなか現地に赴くことができず、不便な状況での売却を強いられるでしょう。しかし、最低限、現地に行くべきときだけを抑えておけば、遠方の不動産の売却もそれほど大きな負担とはなりません。

現地に行くべきときは、全部で3回。1回目は、不動産会社の査定に立ち会うときです。「査定なんて鍵を渡してしてもらえば?」と思われるかもしれませんが、査定自体はそれでも構いません。しかし、どんな会社なのか、どんな担当者なのかを見るために、必ず査定には立ち会うべきです。

また、査定をお願いする不動産会社は1社ではなく、最低でも3~4社には依頼したほうがいいでしょう。査定は、「いくらで売れるか」を知るためのものではありますが、同時に不動産会社や担当者を見極めるためのものでもあります。見極めるためには比較が不可欠です。

マンションナビなら、遠方の物件でも複数の不動産会社に一括で査定依頼できますのでぜひご活用ください。

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あと2回、現地に赴くのは、売買契約を締結する日とマンションを引き渡す日です。ただ売買契約および引渡しは代理人を擁立することも可能ですので、現地にお住まいの信頼できるご親戚の方などがいらっしゃれば委任することを検討してもいいでしょう。

Aさんの失敗2.物件内の清掃を怠った

複数社による査定時の対応とともに、お部屋の片づけを同日に行ってしまえば、1日あれば十分でしょう。多少面倒だとしても、居室内は片付いた状態で売り出すことが大切です。居室内が片付いているかどうかは、内覧者が来たときに「買ってもらえるか」「見送られてしまうか」の明暗を分けます。
ご自身で清掃できない状態であれば、出張買取や清掃業者を手配し、できる限り見栄えをよくしておく努力をしましょう。この努力次第で、売れる時期や売れる価格が決まるといっても過言ではありません。

Aさんの失敗3.不動産会社とのコミュニケーション不足

遠方の物件、遠方の不動産会社だとしても、電話やメールで担当者とコミュニケーションを取ることは可能です。むしろ遠方だからこそ販売状況の確認を怠らず、値下げの時期などを見極めることが大切です。

Aさんの失敗4.売れなかったときの対応策不足

遠方の物件に限らず、一定期間マンションが売れない場合には、なんらかの対応策を講じる必要があります。それは必ずしも値下げではなく、「不動産会社の変更」かもしれません。

取るべき対応策は、ケースバイケースです。
・相場との乖離はないか?
・不動産会社は鋭意、売却活動をしてくれているのか?
・競合物件の動向はどうか?
マンションが売れないときにはこれらのことを考え、適切な対応を取って早期売却を目指しましょう。

失敗事例その2

マンションが手狭になってきたことから、現在のマンションよりも広い一戸建てを購入することを決めたBさん。Bさん家族は、新居の候補として考えている一戸建てを非常に気に入っており、マンションの売却が決まる前からその一戸建てを押さえていました。

「このマンションを買いたい人がいます」という投函チラシを見たBさんは、「すでに買主がいるならすぐに売れる!」と喜び、その不動産会社に査定と売却を依頼。その不動産会社の査定価格をもとにマンションの残債を返済し、残った分と新しく組む住宅ローンで新居を購入する計画を立てました。

実際に売出しを始めてみたところ、すでにいるはずの購入希望者が一向に現れません。「このマンションを買いたい人がいらっしゃるんですよね?」と担当者に確認するものの、言葉を濁されてしまいます。

ただすぐに別の内覧希望が入り、契約したいという方が現れました。しかし、希望価格より200万円も値引きとなってしまう金額を提示され、悩みましたが、新居のお金のこともありお断りしました。

その後はめぼしい見学者の方はあらわれず、結局、半年後に希望価格の500万円値引きで売却。希望していた一戸建ては資金が足りず、別の一戸建てを購入することになってしまいました。

 
Bさんの失敗


  • チラシに騙されてしまった
  • 相場価格を見誤って売り時を逃してしまった
  • 住み替えの資金計画が甘かった


Bさんの失敗1.チラシに騙されてしまった

Bさんのまず一つ目の失敗は、「このマンションを買いたい人がいます!」というチラシが安易に信じてしまったことでしょう。この手のチラシを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

不動産業界では、こういったチラシは「売り求むチラシ」といわれています。中には本当に購入検討者がいることもあるのかもしれませんが、売り求むチラシは不動産会社による“文句の一つ”と考えておいたほうが賢明です。

Bさんの失敗2.相場価格を見誤って売り時を逃してしまった

Bさんは、最初に「契約したい」と言ってきた人を「希望価格より200万円安い」という理由で断っています。しかし、売り出し価格の参考とした「査定額」自体が、相場からかけ離れた金額であった可能性も否めません。
1社にしか査定をお願いしていないと、査定額が適正なのかの判断がつかないものです。チラシが入っていた1社を選択肢の一つにすることはいいでしょうが、その場合にも必ず複数社の査定額を比較することが大切です。

Bさんの失敗3.住み替えの資金計画が甘かった

今のお住まいを売って新居を購入するという住み替えでは、今のお住まいがいくらで売れるかわからない時点で新居を決めてしまうことは避けたほうがいいでしょう。

「査定額=売れる額」と決めつけてしまったことも、Bさんの失敗の一つです。査定額は、あくまで不動産会社による「売却予想額」と位置づけ、売却の進み具合を見ながら新居を検討し始め、金額的にもスケジュール的にもスムーズな住み替えを目指すべきです。

まとめ

まとめ


  • まずは売却の期間や流れを把握しておく
  • 売出前は、査定依頼方法や不動産会社の決め方に注意
  • 売出中は、「囲い込み」の恐れがあることを把握しておき、内覧対応をしっかりと
  • 売却後は、税金や契約不適合責任の扱いに注意


マンションの売却で失敗ための秘訣は、各ポイントで失敗しがちな事例を知り、その対応策を頭の中に入れておくことです。

各ポイントの中でも、絶対に失敗してはならないのが不動産会社選びでしょう。不動産会社が信頼できて、事前に失敗を回避するための予防線を貼っていてくれれば、売主は「成功」へとおのずと導かれるはずです。

不動産会社を決める際には、必ず複数社に査定依頼を行い、各社を比較するようにしましょう。マンションナビでは、マンションの売却を得意とする複数の不動産会社に一括で査定依頼が可能です。ぜひご活用ください。

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監修者情報:亀梨 奈美

■氏名:亀梨 奈美 ■保有資格:住宅ローンアドバイザー ■プロフィール 大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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