目次
住宅ローンが残っているマンションを売却するにはローンの完済が必要

- 住宅の売却後に抵当権を外すために住宅ローンを完済しなければならない
住宅ローンに残債がある状態で売却するときのポイント

住みながら次の物件を探す
住宅ローンが残っている状態で買い替える場合は、先に物件を売却してから住み替える「売り先行」で売却しましょう。住み替え先が賃貸物件である場合も同様に、物件の売却活動を先に行います。 先に住み替え先の住宅を購入する「買い先行」をすると、住み替え先のローン返済と居住中の住宅ローンの返済と重なり、金銭的に大きな負担となります。そのため買い先行をしてしまうと、物件を売り急いで低い値段で売却してしまう可能性があるのです。 売り先行をすることで、住宅を売りあせることがなく、納得できる価格で売却しやすくなります。 もし、やむを得ない理由で買い先行をする場合は、つなぎ融資を利用する方法もあります。つなぎ融資とは、住み替え先の物件の購入代金を借り入れて、居住中の物件を売却金で返済する融資のことです。売却が得意な不動産会社に仲介を依頼する
売却後に残債の発生を防ぐためには、住宅をできるだけ高い価格で売却する必要があります。そのためには、売却が得意な不動産会社に仲介を依頼することが大切です。 不動産会社にも、得意な分野と不得意な分野があります。複数の不動産会社に物件の査定を依頼し、売却が得意な業者を探しましょう。 売却が得意な不動産会社ほど、査定の根拠を明確に説明できるだけでなく、売却までの道筋もわかりやすく提案してくれます。査定を依頼した不動産会社の売却実績を確認するのも有効でしょう。 また以下のようなサービスを実施している不動産会社に売却を依頼すると、住宅に付加価値が付いて高値で売却しやすくなります。 ◯不動産の売却に力を入れている業者が導入しているサービス- ホームインスペクション:住宅のプロによる住宅性能の診断サービス
- 瑕疵保証:雨漏りのような瑕疵(欠陥)が見つかった場合の保証
- ハウスクリーニング など
というのも、第三者が調査したマンション売却一括査定サイトに関するイメージ調査で、「初めての方におすすめできる」などの部門において4冠を達成しているからです。
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適切な売り出し価格に設定する
住宅が希望の価格で売れるかどうかは、売り出し価格の設定に左右されると言っても過言ではありません。 売り出し価格が安すぎると、安値で売却してしまい損をします。反対に売り出し価格が高すぎると、購入希望者が価格を見ただけで検討をやめてしまい、物件は売れ残るでしょう。 力量のある不動産会社に仲介を依頼すると、相場を加味して購入希望者が購入を迷うような絶妙な売り出し価格に設定してくれます。 また売り出し価格は、住宅ローンの残債額と以下のような売却時の諸費用を確認して設定しましょう。 ◯不動産売却時の諸費用- 仲介手数料
- 抵当権を抹消する登記費用(登録免許税、司法書士への報酬)
- 売買契約書に添付する印紙税
- ハウスクリーニング代
- 引っ越し費用 など
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- 住宅ローンが残っている物件を売る時は住みながら売却活動を行う
- 住宅の売却に力を入れた不動産会社に依頼すると高値での売却が期待できる
- 適切な売り出し価格に設定すると住宅を高値で売却しやすくなる
マンションを売ってもローンが残る!オーバーローンの対処方法

手持ち資金を増やして返済に充てる
自家用車を所有している方は、売却金返済に充てるのも一つの方法です。近年はカーシェアリングが普及していることもあり、自家用車を所有しなくても生活できる環境が整っているエリアも増えてきました。 また、自宅に1年以上使用していないものがある場合は、メルカリやラクマといったフリマアプリで売却しましょう。予想以上の価格で売れて、残債の返済に充てられる資金を確保できるかもしれません。 もし、ご自身の資産だけでの返済が難しい場合は、親や祖父母などから資金を提供してもらえないか相談してみましょう。年間110万円までであれば、贈与税を負担することなく資金提供が受けられます。住み替えローンを利用する
住み替えローンとは、住み替え先の物件を購入するために組んだ住宅ローンに、残債を組み入れるローンです。住み替えローンを借り入れると、抵当権を抹消できます。 ただし住み替えローンは、限られた金融機関でしか取り扱われていません。また住み替えローンは、物件の購入価格以上のローンを組むことになるため、審査が厳しい傾向にあります。 そのため住み替えローンは、大企業に勤務しているサラリーマンや公務員のような、収入が安定している職業に就いている方向けの対策といえるでしょう。任意売却をする
すでに住宅ローンの返済を滞納しており、金融機関から一括返済を求められている方は、任意売却する方法があります。 金融機関からの一括返済に応じられず、自宅が競売にかけられた場合、相場の6〜7割の価格で売られてしまうため残債額が増えてしまいます。 任意売却ができると、住宅を相場と同程度の金額で売却可能です。さらに残債の返済計画も、無理のない範囲で組める可能性があり、売却後の生活における金銭的な負担が軽減されます。 ただし任意売却をするためには、金融機関から承認を得るため不動産会社に交渉を依頼しなければなりません。 加えて、住宅ローンの返済を滞納すると信用情報機関に記録が残るため、将来的にクレジットカードを作れない場合や携帯電話を分割購入できない場合がある点に注意が必要です。あわせて読みたい
- オーバーローンの発生時に手持ち資金が足りない場合は自家用車や不用品の売却、親族からの資金提供で資金を確保する。
- オーバーローンが貯蓄で返済できない場合は住み替えローンを検討する
- すでに住宅ローンを滞納している場合は任意売却が選択肢となる
ローンが残っているマンションを売ると税金の負担を軽減できる

譲渡損失の特例で控除される金額は、以下2つのどちらか少ない方です。
- オーバーローンと同額(住宅ローンの借入残高-売却価格)
- 物件の購入価格-建物の減価償却費-売却価格
- オーバーローンの状態となった場合は譲渡損失の売却特例を活用できる
住宅ローンが残っている状態で売却する方法と残債発生時の対処法まとめ

住宅ローンが残っている状態の対処法
- 住宅ローンが残っている人でも住宅を売却できる。しかし抵当権を外すために売却後に住宅ローンを完済する必要がある
- 住宅を売却するときは売り先行で売却活動を行い、不動産売却の得意な業者に仲介を依頼する
- 売却後にオーバーローンとなる場合は住み替えローンや任意売却などの選択肢がある
- オーバーローンとなる場合、譲渡損失の売却特例で税負担を軽減可能な場合がある
住宅ローンが残っている物件を売却する時も、いかに高い値段で住宅を売却できるかどうかが鍵となります。住宅を高値で売却するためには、複数の不動産会社に住宅の査定を依頼して信頼できる業者を探さなければなりません。 マンションナビの一括査定サービスでは、短時間で最大6社の査定結果を比較できます。査定は無料ですので、ぜひご活用ください。
FP監修者情報:品木彰
■氏名:品木彰
■保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
■プロフィール:大手生命保険会社にて7年半勤務し、チームリーダーや管理職候補として個人営業、法人営業の両方を経験。その後人材会社で転職したのちに副業としてwebライターを始める。お金に関する正しい知識をたくさんの人々に知って欲しいとの思いから、2019年1月よりwebライターとして独立。これまで保険、不動産、税金、音楽など幅広いジャンルの記事を、多数のメディアで執筆・監修している。