マンション売却におけるリースバックと聞いても、なかなかどのような仕組みなのか理解するのは難しいですよね。また、リースバックをすると、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。また、リースバックはどんな時に利用すべきなのか、リースバックをすると、どんなメリットやデメリットがあるのか、メリット3選・デメリット3選をまとめてご紹介します。
リースバックとは

そもそも「リースバック」とはどのようなものなのでしょうか。正式には「セールスアンドリースバック(sale and leaseback)」といい、日本語では賃貸借契約付き売却といいます。
リースバックとはマンションの売却者が主に投資家や不動産会社、リース会社に対してマンションを売却し、「賃貸契約」を結んで、売却後もそのまま住み続けられるようにする仕組みです。
売却先が主に投資家や不動産会社、リース会社である理由としては、個人が家を買う場合、マンションに住むことを所有目的としているため、元の所有者が住めなくなってしまうからです。
そのため、立ち退きを要求してきたり、他の方に転売したりしない信頼関係を無くしては実現しない仕組みともいえます。
- リースバックとはマンションの売却者が不動産会社等に対してマンションを売却し、「賃貸契約」を結んで、売却後もそのまま住み続けられるようにする仕組み。
最近注目を浴びているリースバック

特に5月に入ってから、「リースバック」という単語をたくさんの人が検索していることがお判りいただけるのではないでしょうか。
リースバックが注目されている理由
それは、新型コロナウイルス感染症の流行が続き、収入減などで生活資金の確保に悩む人が増える懸念が高まっているからです。生活資金の確保に悩むということは当然、住宅にかけられる資金の確保も難しくなることでしょう。
そんな時に、注目をされているのが、自宅を売却してそのまま賃貸として住み続けるリースバックという制度です。
実際に5月に入ってから、様々な不動産会社がリースバック事業を新たにスタートし始めていることがニュースでも取り上げられています。
- 新型コロナウイルス感染症の流行が続き、収入減などで生活資金の確保に悩む人が増える懸念が高まっていることから、リースバックは注目を浴び始めている。
リースバックのメリット3選

維持管理にかかる費用の支払い義務がなくなる
マンションを所有していると、固定資産税などの維持管理費用がかかります。
しかし、リースバックをしてしまえばマンションの所有は売却先の人となるため、ご自身で固定資産税等の維持管理費を支払わなくて済むようになります。
慣れ親しんだ家に住み続けられる
リースバックはマンションを売却した後にも賃貸料を支払いながら、同じマンションに住み続けられる仕組みです。
そのため、引っ越す必要がなかったり、今までのライフスタイルを変えたりせずに住み続けられます。
近所の人に事情を知られなくて済む
投資家の方や不動産会社へマンションを売却するという取引となるため、第三者が家を見にくることも通常のマンション売却に比べて少ないのがリースバックです。
広告活動も大々的には行わないですし、引っ越しもしないため、マンションを売却したことが近所の方に知られることなくできます。
- メリットは「維持管理にかかる費用の支払い義務がなくなること」、「慣れ親しんだ家に住み続けられること」、「近所の人に事情を知られなくて済むこと」の3点があげられる。
リースバックのデメリット3選

マンションを売却する際にリースバックを選択する場合は、メリットとデメリットを理解した上で、選択するようにしましょう。
譲渡所得税の支払い義務が発生する
マンション売却後も自分たちで住み続けるとは言え、マンションを売却したことに変わりはありません。
そのため、売却で利益が出た場合には譲渡所得税の支払い義務が発生します。支払い時期はマンションを売却した翌年の2月から3月の間です。忘れてしまわないよう注意しておきましょう。
賃料を支払い続けなくてはいけない
固定資産としてマンションを所有している際には、住宅ローンを除いては発生していなかった外部への月額料金が発生します。
所有物として持っているマンションには発生しませんが、リース会社に対して毎月の賃料の支払いが必要になることは覚えておきましょう。
終身住み続けたり、買い戻しができない可能性がある
リースバックでは、所有者から退去命令が出たら退去しなくてはいけないです。そのため、終身住み続けられる保証はありません。
また、どこかのタイミングで買い戻しがしたいと思っても、買い戻せる保証もありません。一度手放したら自分の所有物として戻ってこないかもしれない覚悟を決める必要があります。
- デメリットは、「譲渡所得税の支払い義務が発生すること」、「賃料を支払い続けなくてはいけないこと」、「終身住み続けたり、買い戻しができない可能性があること」の3点がある。
- 実際にリースバックを行う際には、仕組みを正しく理解して、資金計画を立てる必要がある。
リースバックのデメリットから起こるトラブルや失敗談

リース料(賃料)が高額すぎて支払えなくなってしまった
リースバックでマンションを売却したのちには、リース料(賃料)を支払い続けることでマンションに住み続けることができます。そのため、リース料が高額すぎて支払えなくなってしまい、強制退去を命じられたことがある方は少なくはありません。リース料の相場は「売却価格×10%/12(ヶ月)=リース料」です。マンションの売却価格が上がればリース料も上がり、売却価格が下がればリース料も下がる傾向にあります。そのため、「なるべく高く売却したい」と思って高い価格で売却してしまうと、のちの暮らしに賃貸料として大きくのしかかってくるというわけです。
マンションの売却価格を優先するべきか、リース料を優先するべきからは人それぞれ違うでしょう。自分に合っている方で進めましょう。
退去を命じられてしまった
リースバックの賃貸契約は2年から3年ほどが一般的です。通常の賃貸であれば、よほどのことがない限り退去させられることはほとんどありません。しかし、リースバックの場合には、更新のタイミングで立ち退きを命じられる場合があります。立ち退きを命じられたら出て行かなくてないけませんから、住み続けることができなくなってしまいます。
主な理由としては、リース会社の業績が落ちたり、リース会社が売却しなくてはいけなくなったりといった理由です。そのため、住んでいた方に何か問題が合ったわけではなく、リース会社の責任です。
しかし、不動産がリース会社の所有物である以上、どんなにリース会社が悪くても責任を問うことはできません。
相続人とトラブルになる可能性がある
マンションが何かあったときのためのアテとなってしまっている場合、リースバックをしてしまっているとアテにはもうできなくなってしまいます。マンションを売却した本人としては、誰にも知られることなく売却できるのがメリットかもしれません。しかし、のちに実は持ち家ではないことが発覚した際に大きなトラブルに発展する可能性はなきにしもあらず。
また、「買い戻せばいい」と思っている方もいるかもしれません。しかし、予定通り買い戻しができないこともよくあります。リース料が高額すぎて貯金ができなかったり、相場よりも高い価格で買い戻し料金を提示してくることもありえます。万が一のことを考えて、リースバックをする際には身内に話さないのではなく、事前に相談をしたり、いくらで買い戻しができるのかを共有したりしておきましょう。
実際に、リースバック事業を手掛ける一建設株式会社様にインタビュー内容を下記の記事に掲載しております。本当にリースバックは金銭的な理由で売却をする人にとって、価値のある打ち手になるかを調査しているので、ぜひご一読ください。
リースバックデメリットまとめ

- リースバックとはマンションの売却者が主に投資家や不動産会社、リース会社に対してマンションを売却し、「賃貸契約」を結んで、売却後もそのまま住み続けられるようにする仕組み。
- リースバックのメリットとしては「維持管理にかかる費用の支払い義務がなくなる」、「慣れ親しんだ家に住み続けられる」、「近所の人に事情を知られなくて済む」の3点。
- リースバックのデメリットとしては「譲渡所得税の支払い義務が発生する」、「賃料を支払い続けなくてはいけない」、「終身住み続けたり、買い戻しができない可能性がある」の3点。
- 実際にリースバックを行う際には、仕組みを正しく理解して、資金計画を立てる必要がある。
- リースバックのデメリットから起きるトラブルや失敗談を把握しておく。
- マンション売却時にリースバックを選択する際は、メリットとデメリットをそれぞれ比較し、納得した上で判断するようにする。
リースバックは、マンションを売却した後でも馴染み深い我が家に暮らせることから選択したい方は多い方法でしょう。
メリットがとても魅力的な分、なかなかデメリットを大きく受け止められないこともあるでしょう。
しかし、リースバックにしてしまうとリース料が発生したり、我が家とはいえ他人のものになってしまいます。十分にデメリットや起こりうるトラブルについて考えてから決断をするようにしましょう。
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