【2021年】不動産投資物件の売却のタイミングはいつ?失敗しないための注意点も解説!

2020年に入ってからすぐに感染拡大が始まった新型コロナウイルス。不動産市場にも非常に大きな影響を与えました。

ただその「影響」は、2020年後半以降、良い形として現れています。緊急事態宣言下で激減した流通数が一転し、10月には首都圏の中古住宅販売数が過去最高を記録したのです。

その一方で、コロナが変えた働き方・暮らし方の影響により局所的にオフィスや賃貸物件の空室率は上がりつつあります。
そこで本記事では、不動産投資物件を売却するタイミングについて考察していきたいと思います。

収益物件は、経営に行き詰まってから売却を考えるのでは時すでに遅し。「今」と「これから」の賃料や需要、売値を予測し、収益が最大化する適切なタイミングを見極めましょう。

不動産投資物件を売却するタイミング1.購入当時より高く売れるとき

投資物件を売却するタイミングとしてベストなのは、購入当時より高く売れるときでしょう。とはいえ、基本的に不動産は経年によって価値を落としていくものですので、購入同時より高く売れるケースは決して多くありません。

しかし、2020年後半から不動産相場価格が高騰している今は、予想を上回る金額でご所有の収益物件が売却できるチャンスかもしれません。

2021年の不動産市況は上向き?!コロナの影響は?

不動産を売却する上で気になるのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響ではないでしょうか?

東日本レインズのデータを基に筆者が作成)

2020(令和2)年4月、5月は緊急事態宣言が発令されたこともあり、中古不動産の流通数は大幅に減少しました。しかし緊急事態宣言解除からというもの、市況はV字回復を遂げ、2020年10月には首都圏で10月として過去最高の流通数を記録しています。



近畿レインズのデータを基に筆者が作成)

こちらは、近畿圏の中古マンションの成約数・成約平米単価の前年同月比の推移。直近のデータは首都圏ほどの水準ではありませんが、コロナ禍から急回復している点では同様です。

収益物件の相場価格も上昇傾向に

収益物件の相場価格も、2020年後半から上昇傾向にあります。

(出典:不動産投資と収益物件の情報サイト建美家(けんびや)

区分マンションの収益物件の価格は、昨年の水準までとはいかないものの、2020年8月以降にV字回復しています。

(出典:不動産投資と収益物件の情報サイト建美家(けんびや)

一方で、一棟アパートはコロナ禍で大きく価格が下がりませんでした。波はあるものの、2018年頃から同様の水準で推移しています。

(出典:不動産投資と収益物件の情報サイト建美家(けんびや)

一棟マンションの相場価格は、近年、上昇傾向にあります。コロナ禍でも大きく価格を落とさず、緊急事態宣言明けにはさらに価格が上昇しています。

ご覧のように、収益物件の価格は上昇傾向にありますが、上記グラフは全国平均の推移を表したもの。コロナによって人の動き・経済状況・住まいのニーズが変わった今、価格の上昇率が全国平均を上回っているエリアもあれば、その逆もまた然りでしょう。ご所有の投資物件の「今」の価値を把握しなければ、売り時を検討することはできません。

区分マンションの売却査定価格を知りたいという方は、どうぞマンションナビをご活用ください。マンションナビは、マンション専門の一括査定サイト。マンション売却に強い不動産会社が簡単に見つかるため、売り時を逃さず、高額売却にも期待できます。

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ポイント

・収益物件は購入時より高く売れるタイミングで売るのがベスト
・2020年後半から不動産価格は高騰傾向に


不動産投資物件を売却するタイミング2.売却益にかかる税金が下がったとき

不動産投資物件を売却するタイミングは、税金が安くなる時期を狙うのも一つの手です。

というのも、売却益が出た不動産は住民税・所得税が課税されますが、その課税率が「所有期間」によって異なるからです。


不動産の売却益(≒譲渡所得)の算出方法

「売却益」といっても、たとえば4,000万円で購入した不動産が5,000万円で売れたときの差額「1,000万円」を指すわけではありません。
税務上の不動産の売却益のことを、「譲渡所得」といいます。譲渡所得の算出式は、以下の通りです。

譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用
内容
譲渡収入金額マンションの売却価格+固定資産税・都市計画税の清算金
譲渡費用マンション売却の諸費用
(仲介手数料・印紙税・登録免許税)
取得費用マンションの購入代金+購入時の仲介手数料+設備費
から減価償却累計費を差し引いた金額
譲渡費用は、リフォーム代なども計上が可能です。詳細に知りたい方はこちらの記事を参照ください。



マンションの購入代金は、減価償却累計費を差し引いた金額で考えます。減価償却費とは、建物が経年劣化によって低下したと考えられる価値に相当する金額です。
減価償却費について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご確認ください。



マンション購入時に支払った金銭が、取得費用に該当するかどうか分からない場合は、売却時に不動産会社や税理士などの専門家に確認しましょう。
もし取得費用が不明な場合は、次の計算式(概算法)で求めることも可能です。


売却益に課税する税率は「所有期間」によって大きく異なる

上記の計算方法で算出された譲渡所得に、それぞれ所得税・住民税が課税されます。その課税率は、「所有期間5年」を境に大きく異なります。
税率
所有期間区分税率
5年以下短期譲渡所得39.630%
(所得税30%+住民税9%+特別復興所得税0.63%)
5年超長期譲渡所得20.315%
(所得税15%+住民税5%+特別復興所得税0.315%)
上記の通り、所有期間5年以下は所得税・住民税を合わせた税率が「39.63%」、所有期間5年超だと「20.315%」。所有期間5年を境に、税率が1/2近くまで下がるのです。

ただし、このときの「所有期間」は「実質的な所有期間」とは異なり、「売却した年の1月1日時点の所有期間」でみなされる点に注意が必要です。

たとえば、2020年4月1日に購入したマンションを2025年5月1日に売却する場合、実質的な所有期間は「5年と1ヶ月」ですが、2025年1月1日時点の所有期間は「4年と9ヶ月」。つまり、この場合の所有期間は「5年以下」とみなされてしまいます。

よって、売却益が出そうな投資物件は、みなし所有期間が5年を過ぎてからの売却も検討されてみると良いでしょう。

ポイント

・不動産の譲渡所得(≒売却益)には住民税・所得税が課税される
・課税率は「所有期間5年」を境に1/2ほどまでに引き下がる
・「所有期間」は売却した年の1月1日時点でみなされる


不動産投資物件を売却するタイミング3.経営が安定しているとき

不動産投資物件の売却は、投資における「出口」といわれます。「出口」は、必ずしも収益が落ちたタイミングが適切なわけではありません。
収益化できている物件を手放すことは「惜しい」とも考えられますが、収益が安定していたり、満室経営ができていたりする収益物件は高額売却が見込めます。逆にいえば、空室率が高かったり収益が落ちていたりする収益物件は、価値が下がってしまうおそれがあるのです。

その理由は、査定方法にあります。居住用物件は、立地や築年数、類似物件の成約事例などが査定価格に影響しますが、収益物件はその物件がもつ「収益性」が査定の基準となります。


収益物件の査定方法

投資物件の査定は、「収益還元法」という方法で算出されるのが一般的です。

収益還元法の考え方は、その物件が生み出す利益を基に査定額を算出するというもの。居住用物件は、主に「立地や築年数の条件が類似している物件が過去にいくらで売れたか」を基に算出されますが、投資物件は「収益性」によって査定額が変わるということをあらかじめ認識しておきましょう。

投資物件の出口戦略を練るときは、賃料収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)が最大化するときを考えるべきです。

1.収益化はできているけれど、売却したとしたら売却益が見込める
2.収益が下がってきたから手放したいけど、売値も下がった

当然ながら、必ずしも「1」のほうが相対的な収益が大きくなるとは限りません。ご自身の物件の経営状況・経営を継続したときの見通し・売値。この3つを把握し、いつ出口を設定するべきかシミュレーションすることが大切です。

マンションの売却見込み額を知りたいときには、マンションナビをご活用ください。

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ポイント

・不動産投資の出口はインカムゲイン・キャピタルゲインが最大化するときを狙う
・投資物件の査定方法を認識して売り時を考える


不動産投資物件の売却にかかる税金以外の4つの諸費用

不動産投資物件の売却には、税金のみならず諸費用がかかることも忘れてはいけません。

不動産売却にかかる諸費用は、売却金額のおよそ4%。諸費用の存在を忘れて売値を設定してしまうと、「シミュレーション通りにいかなかった」なんてことも起きてしまいかねません。

ここからは、不動産売却時、税金以外にかかる4つの諸費用を解説します。


1.仲介手数料

仲介手数料:売却金額×3%+6万円(税別)が上限

不動産の売買仲介をしてもらった不動産会社に支払う成功報酬です。

2.印紙代

印紙代:契約金額によって変動する(以下表参照)

(出典:国税庁

売買契約書に貼付する印紙代は、上記のように契約金額によって異なる費用です。2022(令和4)年3月31日までの売買契約書は、上記表の右側「軽減税率」が適用されます。

厳密にいえば印紙は「税金」ですが、売買契約時に郵便局等で取得する、あるいは用意してもらった不動産会社に料金を支払います。

3.登記費用(抵当権抹消費用)

登記費用の相場:10,000~40,000円(司法書士報酬含む)
売却時にローンが残っていて売却金額で完済する場合は、「登記費用(抵当権抹消費用)」がかかります。

抵当権抹消登記自体は「1,000~2,000円」ほどですが、別途、司法書士報酬が数万円かかります。

4.ローンの完済手数料

ローン完済手数料の相場:繰上げ返済元金の2%ほど(金融機関によって異なる)

売却時にローンを完済する際には、金融機関に対する手数料も必要です。

金額は金融機関によって異なりますが、「繰上返済元金の2%」ほどが相場です。

ポイント

・不動産売却時には税金のみならず「仲介手数料」「印紙代」「登記費用」「ローン完済手数料」といった諸費用がかかる
・諸費用は売却金額の4%ほど


不動産投資物件の売却で失敗しないために気を付けたい4つ注意点

不動産投資物件を売却するにあたり、気を付けたいのは売却のタイミングや諸費用・税金の存在だけではありません。

1.「オーナーチェンジ」は価格が下がることも

不動産投資物件は、入居者が入ったままでも売却が可能です。その場合、入居者はそのままに、物件のオーナーだけ変わるため「オーナーチェンジ物件」として販売されます。

オーナーチェンジ物件は入居者を退去させる必要がなく、売却のタイミングも測りやすいといえます。しかし、状況によっては空室時のほうが高く売れる可能性もあるので注意が必要です。

オーナーチェンジ物件と空室物件とで価格差が生じる理由は、先述でもお伝えした「査定方法」の違いによるもの。オーナーチェンジ物件は入居者がいるため、「収益物件」としか評価されません。一方で、区分マンションや一戸建てに限ってですが、空室物件は買主が「住みたい」と思えば自己居住用としても利用可能です。

状況によっては、「収益物件」としての価値より「居住用物件」としての価値のほうが高いケースもあるため、売り方も考慮すべきだといえるでしょう。

2.売却益が出ない物件は「5年」待つ必要なし

不動産投資物件の売却のタイミングとして、譲渡所得にかかる住民税・所得税の税率が下がる「所有期間5年超」まで待つことも検討すべきだとお伝えしました。

しかし、そもそも譲渡所得(≒売却益)が出ない物件は、住民税・所得税が課税されません。よって、所有期間に関わらず売り時を検討しても問題ないでしょう。

3.売れない場合も安易に修繕・クリーニング・リフォームはしない

・長期間売れない
・理想金額で売れない

このようなケースでは、物件の価値を向上させるための対策を講じることも考えるかもしれません。具体的な対策としては、ハウスクリーニングや修繕、リフォームなどですね。

しかし、売値を上げるための費用をかけた対応策は安易に実施しないほうが賢明でしょう。その理由は、かけた費用分だけ売値が上がるとは限らないからです。

たとえば、そのままの状態で「3,000万円」で売れる物件を「1,000万円」かけてリフォームしたとしても、必ずしも「4,000万円以上」で売れるとは限りません。



そのため売れない物件を売るための対策として、まずは次のようなことも検討されてみると良いでしょう。
・不動産会社を変える
・「買取」で売る
「物件を売る能力」は、不動産会社によって大きく異なります。たとえば、収益物件の売却なのに自己居住用物件を中心に扱っている不動産会社に依頼してしまえば、「売値」や「売るスピード」が落ちてしまうおそれもあります。

また、「早く売りたい」「確実に売りたい」「リフォームなどの費用をかけずに売りたい」という場合には「買取」がおすすめ。「買取」とは、不動産会社に「仲介」してもらうのではなく、直接買い取ってもらうという売却方法です。

不動産会社は、買い取った物件を修繕やリフォームし、再販することで利益を見込みます。つまり、買い取る物件のキズ・汚れなどの状況は考慮されないことが大半だといえるのです。



不動産会社による直接買取なら、初回相談から数週間内での売却も可能です。ただし、売値は「仲介」による売却より下がる可能性がありますので注意しましょう。

4.査定価格に騙されない

不動産投資物件を売却するときに、「不動産会社を探す」「査定価格を比較する」ためには一括査定サイトの活用が大変便利です。一括査定サイトとは、複数の不動産会社に対して一括で査定依頼できるサービス。時短かつ適切な不動産会社が見つけやすいといえますが、利用時には注意点もあります。

一括査定サイトを活用すれば、簡単に複数社の査定結果が出揃います。このとき、高額なだけの査定に騙されないようにすることが大切です。

たとえば3社に対して一括査定を行い、以下のような査定結果が出た場合、どの不動産会社に依頼したくなりますか?
・A社:2,900万円
・B社:3,000万円
・C社:3,500万円
「C社!」と考える方が多いのではないでしょうか?

しかし、このとき考えなければならないのは、他社より高額な査定額を出してきた「C社」の査定価格が適切かどうか。査定価格は「その金額で売れることが保証された金額」ではないため、高い査定額を付けてくれるかではなく、査定の根拠に納得できるかが重要です。

ポイント

・区分マンションは空室時の売却も検討する
・売却益が出ない物件の売却は「所有期間」にこだわらなくてOK
・売れないときの対応策とてひ、まず不動産会社の変更や買取を検討する
・査定額=その金額で売れるわけではないとわきまえる


不動産投資物件の売却後には「確定申告」を

不動産を売却した翌年には、「確定申告」をする必要があります。

先述でお伝えした通り、売却益(≒譲渡所得)が出た場合には住民税・所得税が課税されます。一方で、売却損(≒譲渡損失)が出た場合には課税されませんが、確定申告によって、同じ年に売却した別の不動産の譲渡益と損益通算が可能です。

また、控除特例制度によっても節税が見込める可能性があります。

特定事業用資産の買い換え特例

譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 – 譲渡費用 – 取得費用
内容
譲渡収入金額マンションの売却価格+固定資産税・都市計画税の清算金
譲渡費用マンション売却の諸費用
(仲介手数料・印紙税・登録免許税)
取得費用マンションの購入代金+購入時の仲介手数料+設備費
から減価償却累計費を差し引いた金額
先述の通り、譲渡所得の算出式は原則的に上記の通りです。

しかし収益物件を買い換える場合、売却した不動産の譲渡所得と買い換え先の購入金額によって、以下のように譲渡収入金額・取得費・譲渡費用の算出方法が変わり、結果として譲渡所得金額が引き下げる効果が見込めます。

「売却金額≦買い換え先の不動産価格」の場合

・譲渡収入金額:譲渡代金×20%
・取得費・譲渡費用:(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×20%

「売却金額≧買い換え先の不動産価格」の場合

譲渡収入金額:(譲渡代金−買い換え代金)+(買い換え代金×20%)
取得費・譲渡費用:(譲渡資産の取得費+譲渡費用)×譲渡収入金額/譲渡代金

課税割合は不動産のエリアによって異なり、また「買い換え」の要件等が細かく定められていますので、詳しくは国税庁HPをご参照になるか税理士にご相談ください。

ポイント

・収益物件売却の翌年は確定申告を
・損益通算や控除特例の適用など必要に応じて税理士に相談


不動産投資物件の売却は「タイミング」を見定めることが大事!

まとめ

・2020年後半から不動産価格は高騰傾向に
・売却益が出る投資物件は所有期間に注意
・不動産投資の「出口」は必ずしも経営に行き詰まったときではない
・不動産売却にかかる諸費用は売却金額の4%ほど
・区分マンションは空室時のほうが価格が高くなることも
・費用をかけたリフォームの前に不動産会社の変更や買取を検討
・「高額なだけ」な査定に騙されない
・売却後は確定申告を



不動産投資物件を売却する上で重要なのは、「タイミング」を見極めることです。購入時より高く売れる時期がベストではありますが、そのまま賃貸経営を継続したほうが投資全体としての収益が上がる可能性も当然ながらあるでしょう。

ただ、昨今はとくに不動産相場価格が高騰している時期ですので、「今売った場合」と「将来売った場合」の相対的な利益をシミュレーションして売却時期を検討する好機だといえます。コロナによる不況が不動産市場に出てくる前に、一度、ご所有の投資物件の「今」の価値を把握されてみてはいかがでしょうか。

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監修者情報:亀梨 奈美

■氏名:亀梨 奈美
■保有資格:住宅ローンアドバイザー
■プロフィール
大手不動産会社退社後、不動産ライターとして独立。2020年11月 株式会社real wave 設立。不動産会社在籍時代は、都心部の支店を中心に契約書や各書面のチェック、監査業務に従事。プライベートでも複数の不動産売買歴あり。不動産業界に携わって10年以上の経験を活かし、「わかりにくい不動産のことを初心者にもわかりやすく」をモットーに各メディアにて不動産記事を多数執筆。

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