マンションを購入する際、見落としがちなのが管理費と修繕積立金です。毎月のローン返済に加えて管理費と修繕積立金がかかります。ここでは、マンション管理会社別の管理費を分析していきます。
目次
意外と見落としがちな費用とは

低層で戸数の少ないマンションでは共有部の維持管理費用、エレーベータなどの保守点検費用などがかさみ、管理費用、修繕積立金ともに高くなります。逆に大規模マンションでは、共有部分の案分が安くなるため管理費総額は低くなります。平均的な規模のマンションでは、だいたい15,000円前後、修繕積立金が10,000円前後というのが相場のようです。
- マンション購入の際は、管理費と修繕積立金が発生する。
- 低層で戸数の少ない物件では、共有部の維持管理費用がかかる。
マンション管理会社別の管理費を分析する

管理件数上位10社の管理費平均と管理件数
図1は、東京23区のマンションにおける過去10年間に中古マンションとして売りに出された物件の管理費(平米単価)を集計したものです。(売り出し時の管理費ベース、同一マンションで売りに出された場合は最新データを採用。ミスデータと思われるものは、任意にカットしています。)このデータにおける東京23区内での管理棟数が多い上位10社は、日本ハウズイング、大京アステージ、東急コミュニティー、三菱地所コミュニティ、三井不動産レジデンシャルサービス、大和ライフネクスト、住友不動産建物サービス、野村不動産パートナーズ、長谷工コミュニティ、コミュニティワンとなりました。
マンション管理会社の会社名はだいたい似たようなものが多いようです。親会社であるデベロッパー+コミュニティ、パートナーズやサービスといった、「コミュニティ=集団(マンションの住人の方々)に対して、管理というサービスを行う」というイメージの会社名が多いようです。

図1 : 管理件数上位10社の管理費平均と管理件数
上位10社の管理費用の違いは
ここで、管理費用の違いの分析を行うのですが、管理費用には冒頭に書いたような傾向があります。もし、ある会社が大規模タワーマンションばかりを管理していると1戸あたりの平均管理費用は低くなりますし、逆に小規模低層マンションばかりだと、平均管理費用は高くなります。上位10社のマンション管理会社はかなりの棟数を管理しているため規模の大小が標準化されると思います。よって、分析を行う際に、今述べたようなことは、以下考慮しないことにします。
図2 : 管理件数上位10社の平均管理費比較
図2は、上位10社の管理費用(平米単価)を比較したものです。管理費用(総額)は広さごとに異なりますので、ここでは平米単価で比較しています。
グラフでは、各社ごとの最大値と最小値、そして平均値が記載されています。例えば日本ハウズイング社では、平米あたりの管理費の最小は189円/㎡、最大は345円/㎡、平均値は276円/㎡となっています。ちなみに、上位10社の平均は254.2円でした。
先にも述べたように、かなりの管理棟数ですので、数字はかなり収斂されており、各社に大きな違いはありません。平均値でもっとも低い長谷工コミュニティで208円、もっとも高い日本ハウズイングで276円と約70円の差です。70㎡だと4,900円の差です。
この差は、比較的郊外の大規模マンションを建てることが多い長谷工の系列ということが大きな要因でしょうか。また系列デベを持たない日本ハウズイングは、小ぶりなマンションを管理していることが多いのかもしれません。
こうしてみると、マンション管理会社の管理費用に大きな差がないことが分かります。しかし、そのサービス内容における満足度合いは、ほとんどない価格差とは異なり、やや幅があるのかもしれません。
- マンション管理会社の管理費用は大きくは変わらない。
- 大規模なマンションは、長谷工の系列。小ぶりなマンションは日本ハウズイングというように、管理会社によってサービスの内容や特色が異なる。
マンション管理会社についてまとめ

マンション管理会社の基本
- マンション購入の際は、管理費と修繕積立金が発生する。
- 低層で戸数の少ない物件では、共有部の維持管理費用がかかる。
- マンション管理会社の管理費用は大きくは変わらない。
- 大規模なマンションは、長谷工の系列。小ぶりなマンションは日本ハウズイングというように、管理会社によってサービスの内容や特色が異なる。
しかし、今後管理会社の変更(業界では、リプレイスと呼びます)が増えてくるものと予想されます。そうした際に、マンションリサーチ社のデータがお役に立てるようになれば、うれしく思います。